タックハンドルは、24缶入りの飲み物や家電量販店で買った製品の箱に後から貼り付ける取っ手です。
以前は買ったものに紐を2カ所巻き付け、プラスチックの取っ手を紐に取り付けて持ち帰っていましたが、今はこんなに便利なものがあるのだと、改めて感心しました。
タックハンドルがどのようにして誕生したのか?
誕生秘話は、特許からひも解くことが出来ましたが、特許というものは、権利を広く取ろうとするために非常に難しい表現をしていて読みにくいのです。
今回は、タックハンドルの特許を優しく説明し、どれだけ凄い発明であるかを説明します。
特許番号は、特許第3599307号
1998年1月出願し、2004年9月に特許として登録されています。
発明の名称は、『提げ手およびその製造方法』
松浦産業株式会社と麒麟麦酒株式会社の共同出願です。
タックハンドルのメーカーとユーザーが申請したということですね。
20年以上経過していますので、特許の効力は切れています。
発明は5つの課題から生まれた
箱で買う飲み物は、通常は箱を抱えて運びますよね。
私も買い物をして車まで長距離を運ぶことになったときに、なかなか辛い想いをしたものです。
そこで、タックハンドルは5つの課題を挙げ、改善するために開発されました。
・簡単に取り付けることができること
・取付の位置決めが容易であること
・把手を掴みやすいこと
・取り付け前の保管時に嵩張らないこと
・使い勝手のよい飲料缶等の収納箱の提げ手になること
タックハンドルが出来る前にも、後から取り付けられるプラスチック製の取っ手がありましたよね。
このプラスチックの取っ手を取り付けるには、なかなか手間暇かかりました。
特許に書かれた4つの発明
特許では、『請求項』と書かれた項目が発明のポイントになります。
本特許には4つの請求項が書かれており、上位に書いてあるものほど広範囲の権利になっています。
用途と特徴
収納箱や収納袋の両側面に貼り付けるように使うもので、1対のシートに把持となる2本の紐がクロスさせて取り付けられていて、取付け部のシートに紐が平行に配置されているもの、と書かれています。
構造説明
運ぶ荷物の両側面に貼り付ける1対のシートそれぞれに、把手となる帯紐が各シートから上方に出るようにシートと接着用材料で溶着したもの。
細かく言うと更に細かく書いていますが、簡単に言うとこのような内容です。
構造の特徴
シートに溶着した帯紐は、折り曲げ自在で水平・垂直に開閉自在に形作った特徴。
難しく書いていますが、要は、見たままのことを説明していました。
製造方法の説明
シート幅の2倍の幅がある長尺シートに、2本の帯紐状部材を、取付位置を長尺シートの長さ方向にずらせてそれぞれクランク状に蛇行させながら連続的に取り付けて、2本の帯紐が長尺シートの長さ方向と平行になる部分では該長尺シートから同じ長さ突出させ、2本の帯紐状部材が平行状態で長尺シートに対して直角方向に取り付けられ部分を1単位として長尺シートを切断するとともに、長尺シートの中央を長さ方向にそって切断して、2本の帯紐状部材で繋がった各切断片をシート状取付片とすることを特徴とする提げ手の製造方法。
タックハンドルは本当にお得なのか?
結論『お得です!』
値段で比較すると、昔のプラスチック製の取っ手は1個8円くらいであるのに対し、タックハンドルは1枚47円。値段だけ見ると8倍の価格差です。
しかし、なぜヒット商品になったかというと、『取り付け時の手間』が圧倒的に違うからです。
プラスチック製の取っ手は先述したとおり、紐やPPバンドを括り付けてから取り付けるのでものすごく時間がかかりますが、タックハンドルはシールを貼るだけ。
短時間で精算を済ませたいお店側は、タックハンドルの方が絶対的に便利なのです。
しかも、時間が短いということは、人件費の削減にもなりますから、トータルコストはタックハンドルの方が安いと考えても良いわけです。
タックハンドルがやばい!凄さを特許から分析 まとめ
1個の値段は高くとも、作業性でヒットした商品でした。
荷物が持ちやすくなると、ついでに他のものを買っても持ち歩けるので、たくさん買い物をしてしまいそうです。
タックハンドルはネットでも販売していますから、家庭でも使えるかもしれませんね。
では、本日はここまで。お読み頂き、ありがとうございました。
コメント